その2・・・資金と融資制度

事業計画はかなり細部に渡り綿密に計画されたものを作りました。何度も何度も見なおし、パワーポイントでもプレゼン出来る様にし、Aさんとも何度も打ち合わせミーティング(てか飲み)をして、今までの僕の些細な合宿での経験も重ね合わせて、「一体何が受け入れられるのだろうか」を考えました。
僕のポリシーは一点です。「今現在英会話に対する需要は高まる一方だが、それを受け入れる教育体制は全く出来ていないし、英会話学校は入学金だの、1年契約だのと高いお金を払わなければならなくて、敷居が高い。もっと気軽に安く英会話の学習機会を提供したい」と言うことなのです。僕の経験上、どれだけ話したかが会話に関しては重要だと思います。文法だの単語だのの前にどれだけ実践しましたか?と言った方が話は早い気がします。当然文法とか単語とかはまあ、基本として必要ですが、それはほとんどの人が十分教育を受けているのが日本人です。
僕は言いきる。日本人に足りないのは実践だ!喋れるようになりたければ、じゃんじゃん喋ればいいのです。それが一番近道。だって、日本語が喋れるようになりたい外国人がいたとして、その人はちゃんと日本語の文法とかを勉強していたら、あと僕らは「どんどん話そうよ、そうすれば話せるようになるよ」としか言えないですよね。
-事の成り行きを知らない方々の為にちょっとだけ説明をします。E-townと言うのは英会話喫茶で、英会話喫茶とは、外人と気軽にコーヒー飲みながら時間制で話が出来る喫茶店です。そこへ僕が合宿の宣伝をしてくれとビラを持ち込んだのがそもそもの始まりで、協力的に場所を提供して頂いたりしていました。-

まあ、何を実現したいかはともかくとして、事業をやるぞと決意した所で大問題は資金です。資金調達をどうするかはどうやら新規事業をやる皆さんが頭を悩ませる問題のようでした。1年半好き勝手にやって来た僕に資金(貯金)などあるはずもありません。 そこで融資制度を徹底的に調べました。持ってないものは借りるしかありません。しかし消費者金融みたいな所から借りても地獄が待っている事は想像に遠からずで、それではないお金の借り方を(僕が調べた中で)以下に記します。
最大で一番メジャーな金融は「国民生活金融」いわゆる国がやってる公庫です。一般的な対会社の金融は創業1年以上を対象として、その業績に対して資金を融資します。しかし、中には新規事業に関して応援する為の資金があって、公庫では新創業融資制度としてなんと550万円ものお金が無担保無保証人で借りる事が可能なのです。僕のはじき出した必要創業資金は500万円なのです。(ちなみに通常飲食業などだと1500万円とか掛かるけれども、厨房とかの設備が一切いらない部屋のみなものなので安い)。更に飲食業の届けも、コーヒーなどはサービスなのでいらないのです。喫茶店だと届けが必要で、食品衛生管理者とかの届けも必要なのですが、英会話コミュニティサロンではすべてサービスなので、漫画喫茶と同じです。面倒な事はない。意外とお手軽な起業です。

一応ここで、僕の起業内容と従来の英会話喫茶の違いを記しておきます。 Aさん曰く、「英会話喫茶では初級者がせっかく来ても、会話のチャンスが少ない」なのです。何故かと言えば、当然ですが、どうしても話せる人ばかりが話してしまうと言う事なのです。初級の人がせっかく初めて来たのに、ほとんど話ができないまま帰る事になり、二度と来ない。確かに英語を聞くだけだったら、CD買って自分でできます。話す事の実践は一人では出来ないですから、特に外人と話したいわけです。だから来た。でも話せない。 これでは初級の方々は居付けません。かと言って初級の人ばかりが集ってもFreeトークは弾まなかったりします。やはりレッスンが必要です。 そこで僕の構想ではレッスンルームを1つだけ作ります。そしてそこでは、毎日初級の方のためだけのレッスンが行われます。あとAさんの初級のテーブルだけでやるちょっとしたゲームなども含め、基本的には初級の方達の為にサービスを用意するのです。もちろん中、上級の方はラウンジでフリートークやパーティーなどで楽しめます。あと合宿や1日コースではレベル別にレッスンをやるので、どのグレードでも大丈夫です。ただ、ラウンジでは特に初級の方々に対してのサポートをして行くサービスを作って行こうと。まあ、細かい事はその内。

金の無い僕は、自己資金50万で始めようと思いました。あと450万は借りようと。しかし、公庫の基準は自己資金が開業資金の50%を持って始めて認められるようでした。50%って250万円です。それが無いと融資も受けられない様なのです。・・・そんな金無いです。まずは家族と相談です。まずはそれからです。
家族会議は3時間にも及びました。大変僕が熱く語った結果、母が「お金をあげるのは無理だけど、あなたの資産を買い取ってあげる事は出来る」との事でした。僕のいま住んでいる家は、5分の2が僕の資産です。(建てる時にそれだだけ出した)。それによって、僕は200万円余りの資金を得る事が出来たのでした。(本来は600万円くらいだけどそれしか無かった)。
「よーし、やったぁ!あとは前進あるのみ!」
と息巻いた僕は起業セミナーで一緒だった行政書士の方の助言もあって有限会社を設立する事にしました。一人でやるなら有限会社にしておいた方が個人事業主よりも税金対策で有利との事です。会社設立かぁ。。。その時僕の中で、
「代表取締役社長 矢田 剛」
と言う名刺が作れるのでは、と言う期待があったことは否めません。ウハー、カッチョええ・・・、と一瞬、頭の中ではキャバクラのお姉ちゃんたちにチヤホヤされる自分が目に浮かびました。(注:僕はキャバクラとかの類にはここ10年以上行っていません)。
とにかく超前向きに考えて全てが今の為にあったのだと実感すらしていました。英会話合宿の経験が生かされ、E-townで働いてた経験者が手伝ってくれて、横浜の駅近辺のポッカリ空いた場所の物件があり、お金が無いはずが、家の資産を親が買い取ってくれる事で、なんとか出来る。これは前に進まざるを得ないでしょう。親との話でもなかなか出口が見つからず、資産の買取と言う事で話が付いた事で全ては僕の思うとおりに動いているのだと思いました。こう言う時人は、神が自分に付いてくれていると思い、感謝したりします。

会社を設立会社を設立するのに、まず定款(会社の法律書のような物)の認証をしなければなりません。これは会社の内容を規定するもので(あとでどうとでも変えられますが)、形式がちゃんと出来ているかどうかだけで、約10万円掛かります。
そのお金を惜しげも無く払いました。公証人事務所というのがあって、そこで認証を受けるのです。その中で、
「代表取締役 矢田 剛」
と言う項があったのですが、取締役が一人なら代表はいらない、と修正され、代表を消されました。
「取締役 矢田 剛」
少し寂しかったです。

ここで蛇足ですが、確認会社のお話を少しだけ。最近1円起業なんて言葉を耳にした事があるかも知れません。本来有限会社は300万円、株式会社は1000万円の資本金を積まなければ設立できない事になっています。しかし、平成14年秋に中小企業挑戦支援法が成立し、1円の資本金でも会社を登記できる様になったのです。ただし、これは5年間の猶予期間を設ける、と言う意味であって、5年後までに規定の資本金を積まなければならないと言うものです。ですから確認有限会社を設立しても、5年で資本金が300万に増資出来なかったら、会社は解散か、合資会社などに組織変更しなければなりません。
僕も初め、この確認有限会社にしようかと考えました。こう言った資本がなくても出来る事業もあるとは思いますが、僕の場合、資本がないのでは結局商売が出来ないので、どうせなら普通の有限にしようと思いました。
狙っている物件には他からの申込みが入ったとの情報が不動産屋から来て、まだ登記も融資も終わっていないのですが、慌てて仮の申込みを入れました。融資も登記を待っていられないので、個人で、現状のまま申し込みました。とにかく順序を踏んで行く時間が無かったので、全部同時進行でした。
その様に僕がまっしぐらに進む中で、そこにはいくつも反対意見がありました。普通はみな単純に応援してくれるのです。でもそこでNegativeな意見をぶつけてくれる方々は、とても献身的な方々だと思います。
